パッケージ展開機能による Configuration Manager クライアント エージェントのバージョンアップ方法

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みなさま、こんにちは。Configuration Manager サポート チームです。

Configuration Manager では、Configuration Manager クライアント エージェントのバージョン アップ方法が複数ございます。
自動クライアント アップグレードという機能が用意されておりますが、事前にテスト可能なコレクションは 1 つしか指定することはできず、その後にサイト全体へアップグレードを行うため、もう少し小刻みにバージョン アップをしたいというニーズがあることを、サポート インシデントを通してご要望頂くことがございます。
そこで今回は、パッケージ展開機能を利用する方法についてご紹介いたします。

目次

A. パッケージとプログラムの作成
B. パッケージの展開
C. 展開結果の確認

A. パッケージとプログラムの作成

  1. プライマリ サイト サーバー上で、事前に共有フォルダーを作成します。共有ファルダ―は新規で作成し、このパッケージ専用として扱います。
    例:**”\\PriSite\CMClient"**

  2. プライマリ サイト サーバーの以下のフォルダーにアクセスします。
    パス:**”<サイトサーバーのインストール ドライブ>:\Program Files\Microsoft Configuration Manager\Client”**

  3. ccmsetup.exe ファイルのみを、共有フォルダーにコピーします。(手順 5. で使います)

  4. Configuration Manager コンソールを起動し、[ソフトウェア ライブラリ] > [アプリケーション管理] > [パッケージ] を右クリックし、[パッケージの作成] をクリックします。

  5. [パッケージとプログラムの作成ウィザード] の [パッケージ] より、任意の名前を入力し、[このパッケージにソース ファイルを含める] にチェックを入れ、[参照] をクリックします。

  6. [ソース フォルダー] の設定より、さらに [参照] をクリックし、共有フォルダーのパスを入力し、[OK] をクリックします。

  7. [パッケージ] より、共有フォルダーのパスが登録されていることを確認し、[次へ] をクリックします。

  8. [プログラムの種類] より、[標準プログラム] が選択されている状態のまま、[次へ] をクリックします。

  9. [標準プログラム] より、以下の項目を設定し、[参照] をクリックします。

    • 名前:任意の名前
    • コマンド ライン:
    1
    2
    ccmsetup.exe /noservice /mp:<管理ポイントの FQDN> SMSMP=<管理ポイントの FQDN> SMSSITECODE=<サイト コード>
    例):ccmsetup.exe /noservice /mp:PriSite.contoso.com SMSMP=PriSite.contoso.com SMSSITECODE=PS1
    • プログラムの実行条件:ユーザーのログオン状態に関係なし
    • 実行モード:管理者権限で実行する(自動で選択されます)
  10. [要件] より、必要に応じて設定を行い、[次へ] をクリックします。

  11. [概要] より、設定内容に誤りがないことを確認し、[次へ] をクリックします。

  12. [完了] より、正常に完了したことを確認し、[閉じる] をクリックします。

  13. [パッケージ] の [ナビゲーション ペイン] より、作成したパッケージが登録されていることを確認します。

B. パッケージの展開

  1. Configuration Manager コンソールより、[ソフトウェア ライブラリ] > [アプリケーション管理] > [パッケージ] を開きます。

  2. 先ほど作成したパッケージを右クリックし、[展開] をクリックし、[ソフトウェアの展開ウィザード] を開きます。

  3. [全般] にて [コレクション] - [参照] をクリックし、展開先コレクションを指定し [OK] をクリックし、[次へ] をクリックします。

  4. [コンテンツ] にて、[追加] をクリックし、配布ポイントを指定し、[次へ] をクリックします。

  5. [展開設定] にて “目的” を [利用可能] とし、[次へ] をクリックします。
    ([必須] 場合にはサイレント実行されるため、テストする際には、[利用可能] とし、テストが成功することをご確認頂くことをお勧めいたします。)

  6. [スケジュール] にて必要に応じたスケジュールを指定し、[次へ] をクリックします。

  7. [ユーザー側の表示と操作] にて既定のまま [次へ] をクリックします。

  8. [配布ポイント] にて、配布ポイントを指定して、[次へ] をクリックします。

  9. [概要] にて [次へ] をクリックします。

  10. ウィザードが完了したことを確認し、[閉じる] をクリックします。

  11. 展開後、[パッケージ] の [ナビゲーション ペイン] より、展開したパッケージのコンテンツ ステータスが緑色の円グラフになることを確認します。
    ※画面をリフレッシュして、円グラフの更新状況を確認ください。

C. 展開結果の確認

パッケージ展開機能により ccmsetup.exe の配布を行うと、Configuration Manager エージェントのサービスが再起動されるため、パッケージの展開ステータスで、「プログラムで問題が発生しました (予期しなかった再起動)」 と記録されることがございます。
これはステータスを送付するタイミングに依存して記録されるものであり、想定動作となりますのでご留意ください。

そのため、バージョンアップが正しく行われたかどうかは、以下の確認方法を用います。
基本的には、Configuration Manager サーバー側でバージョンアップされていることが確認できましたら、クライアントから管理ポイントへバージョン情報が正しく渡っているため、これにより正しくクライアントが動作していることを判断します。

レポートによる確認

  1. Configuration Manager コンソールにて、[監視] > [レポート] > [レポート] > [サイト - クライアント情報] を選択します。
  2. [Configuration Manager クライアント バージョン別の数] を右クリックし、[実行] をクリックします。
  3. レポートの結果が表示されますので、各バージョンをクリックすると、バージョン別のクライアント一覧がご確認頂けます。

デバイスの列名による確認

  1. Configuration Manager コンソールにて、[資産とコンプライアンス] > [デバイス] を選択します。

  2. 以下の列を追加し、各状態をチェックします。
    ・[アイコン]
    ・[名前]
    ・[クライアント]
    ・[クライアント アクティビティ]
    ・[クライアント バージョン]

  3. 目安としては、以下の点をチェックします。
    ・アイコン:緑色でチェックが付いているか
    ・クライアント アクティビティ:アクティブになっているか
    ・クライアント バージョン:想定バージョンになっているか

    image.png

  4. そのほか、実際にバージョンアップ後のクライアントに対して、
    パッケージ展開や、ソフトウェア更新プログラムの展開を行い、目的の配信が正常に進みますか確認を行います。