Windows 10 ESU を Configuration Manager 経由で適用する

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みなさま、こんにちは。Configuration Manager サポート チームです。

Windows 10 のサポートは 2025 年 10 月 14 日で終了いたします。

Configuration Manager 環境においては、Windows 10 自体の管理に関するサポート全般についても、サポート終了となりますが、一部例外として、Configuration Manager バージョンが最新であり、かつ Windows 10 ESU を適用している環境に対しては、セキュリティ更新プログラムの展開が可能となっております。

Configuration Manager でサポートされる、クライアントとデバイスの OS のバージョン - 拡張セキュリティ更新プログラムと Configuration Manager
https://learn.microsoft.com/ja-jp/intune/configmgr/core/plan-design/configs/supported-operating-systems-for-clients-and-devices#bkmk_ESU

これは Windows 11 へのアップグレードを控えているデバイスや、更新プログラムのみ適用をし続けたいといったニーズに沿うものとなります。
また、Windows 10 ESU を適用していないデバイスにおいては、サポート終了以降にリリースされるセキュリティ更新プログラムの適用に失敗しますので、更新プログラムの展開を受け続けるためには、事前に Windows 10 ESU を適用することが必要となります。

そのため、今回は Configuration Manager を用いて Windows 10 ESU を適用する手順についてご紹介いたします。

ESU MAK キーの入手方法について

今回ご紹介する手順は、ライセンス認証をインターネット経由で行う前提の環境下を想定しておりますので、通信要件については以下の記事をご参考くださいますと幸いです。

Windows 10 ESU に関するよくあるお問い合わせ
https://jpwinsup.github.io/blog/2025/09/29/Activation/Windows10-ESU-QA/
[MAK キーによる Windows 10 ESU を適用したいですが、どうすればよいですか?] の項

次に、ESU MAK キーの入手と、ESU プログラムの Activation ID の確認が必要となりますので、上記の記事を参考に、事前に MAK キーの入手と、指定する Activation ID を確定ください。

手動で適用する方法

手動で適用する場合は、管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、以下の形式のコマンドを実行します。

サンプル:

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cscript %WinDir%\system32\slmgr.vbs /ipk <MAK キーの入力>
cscript %WinDir%\system32\slmgr.vbs /ato <Activation ID の入力>

Configuration Manager 経由で適用する方法

目次

A. 事前作業
B. パッケージとプログラムの作成
C. パッケージの展開
D. インストールの実行

A. 事前作業

以下の内容を参考に、拡張子 .bat のファイルを作成します。(ここでは、esu.bat と仮定します)

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@echo off
cscript %WinDir%\system32\slmgr.vbs /ipk <MAK キーの入力>
cscript %WinDir%\system32\slmgr.vbs /ato <Activation ID の入力>

B. パッケージとプログラムの作成

  1. プライマリ サイト サーバー上で、事前に共有フォルダーを作成します。共有ファルダ―は新規で作成し、このパッケージ専用として扱います。
    例:**”\\PriSite\ESUpackage"**

  2. esu.bat のファイルを、共有フォルダーにコピーします。(手順 5. で使います)

  3. Configuration Manager コンソールを起動し、[ソフトウェア ライブラリ] > [アプリケーション管理] > [パッケージ] を右クリックし、[パッケージの作成] をクリックします。

  4. [パッケージとプログラムの作成ウィザード] の [パッケージ] より、任意の名前を入力し、[このパッケージにソース ファイルを含める] にチェックを入れ、[参照] をクリックします。

  5. [ソース フォルダー] の設定より、さらに [参照] をクリックし、共有フォルダーのパスを入力し、[OK] をクリックします。

  6. [パッケージ] より、共有フォルダーのパスが登録されていることを確認し、[次へ] をクリックします。

  7. [プログラムの種類] より、[標準プログラム] が選択されている状態のまま、[次へ] をクリックします。

  8. [標準プログラム] より、以下の項目を設定し、[参照] をクリックします。

    • 名前:任意の名前
    • コマンド ライン:
    1
    %windir%\sysnative\cmd.exe /c esu.bat
    • プログラムの実行条件:ユーザーのログオン状態に関係なし
    • 実行モード:管理者権限で実行する(自動で選択されます)
  9. [要件] より、必要に応じて設定を行い、[次へ] をクリックします。

  10. [概要] より、設定内容に誤りがないことを確認し、[次へ] をクリックします。

  11. [完了] より、正常に完了したことを確認し、[閉じる] をクリックします。

  12. [パッケージ] の [ナビゲーション ペイン] より、作成したパッケージが登録されていることを確認します。

C. パッケージの展開

  1. Configuration Manager コンソールより、[ソフトウェア ライブラリ] > [アプリケーション管理] > [パッケージ] を開きます。

  2. 先ほど作成したパッケージを右クリックし、[展開] をクリックし、[ソフトウェアの展開ウィザード] を開きます。

  3. [全般] にて [コレクション] - [参照] をクリックし、展開先コレクションを指定し [OK] をクリックし、[次へ] をクリックします。

  4. [コンテンツ] にて、[追加] をクリックし、配布ポイントを指定し、[次へ] をクリックします。

  5. [展開設定] にて “目的” を [利用可能] とし、[次へ] をクリックします。
    ([必須] 場合にはサイレント実行されるため、テストする際には、[利用可能] とし、テスト展開いただくことをお勧めいたします。)

  6. [スケジュール] にて必要に応じたスケジュールを指定し、[次へ] をクリックします。

  7. [ユーザー側の表示と操作] にて既定のまま [次へ] をクリックします。

  8. [配布ポイント] にて、配布ポイントを指定して、[次へ] をクリックします。

  9. [概要] にて [次へ] をクリックします。

  10. ウィザードが完了したことを確認し、[閉じる] をクリックします。

  11. 展開後、[パッケージ] の [ナビゲーション ペイン] より、展開したパッケージのコンテンツ ステータスが緑色の円グラフになることを確認します。
    ※画面をリフレッシュして、円グラフの更新状況を確認ください。

D. インストールの実行

  1. クライアントにて、コントロール パネル を開き、[Configuration Manager] を実行します。
  2. [Configuration Manager のプロパティ画面] が開きます。
  3. [操作] タブにて [コンピューター ポリシーの取得および評価サイクル] を選択し、[直ちに実行] をクリックします。
  4. ソフトウェア センターを開き、該当のパッケージが表示されましたら、[インストール] を実行します。